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低体温症

低体温症

低体温症と凍傷
真っ青の空に純白の樹氷や新雪、こんな素晴らしい景色は冬の山行ならではです。
しかし危険なこともいっぱいあります。
その一つが低体温症や凍傷など寒冷障害です。

ここでは、危険な低体温症と凍傷について記載します。

低体温症(Hypothermia)とは
外界(気温)などの影響により体温の維持が困難となり、体温が低下し(ひとの場合)直腸温(深部体温)が35度以下になったとき、低体温症と診断されます。
低体温症により死亡することを凍死と呼ばれていた時代もあります。


発生時期
冬季の気温低下時はもちろん、夏でも雨に打たれるなどして体温が下がると発症するなど、冬季だけとは限りません。

主に山での発生原因
汗や雨・雪などにより衣類が濡れたり、風、寒さが加わると、急激に体温を奪われて発生します。
夏場では天候の急変や道迷いなどが引き金となり、また、寒さに順応しにくい初秋にかかりやすいなど四季の境目も要注意です。

低体温症の対処について
気づかず大きな事故につながることもあり、自分や仲間の行動や意識の変化などに注意しておくことが大切です。
また、発症した場合も初期の段階で迅速に対処することで重症化を未然に防ぐこともできます。

状況評価
寒さで体が震えるなども重要な警告徴候のひとつです。
そのあと震えが止まると自分で熱を作りだすことができず、急速に悪化していきます。
低体温症が進むと思考が鈍り、正常な判断が困難となってきます。
パーティーメンバーの様子を常に互いにチェックし、症状が見られたら早めに避難しましょう。

応急手当
・急いでツエルトをかぶり防風、保温をします
・傾斜などを利用して簡易的に雪洞を掘り身を守ります
・乗れた衣服を着替え、すっぽりと全身を覆い保温します
・ヒートソリューション等で加温します
・チョコや温かい飲み物などでカロリーを補給し加温します
症状が進んでも、あきらめずに速やかに医療機関へ搬送しましょう。

やってはいけないこと
・無理な運動
・手足のマッサージ
・全身浴(急激な復温)

凍傷とは
極低温のみならず、0度以下でも起こり得る皮膚や皮下組織の障害です。
低温下では身体保護のため末梢血管を収縮し血液を体幹に集めようとします。
そのため末梢循環が悪くなり、血行障害と低温によりその部位が凍って皮膚、皮下組織障害を起こすのが凍傷です。
速やかに処置が行われない場合、不可逆的なものとなり、凍傷部位の腐敗、ミイラ化となるため切断しなければならなくなります。


凍傷の症状
・軽度
  淡白、紅斑、腫れなど
  ※冷感やさすような感覚の痛みがあり、表皮は硬いが押すと凹みます。
・中度
  灰白色、紫紅色、腫れ、水泡など
  ※疼痛やうずくような痛みがあります。
・重度
  白蝋化、黒紫化、ミイラ化など
  ※知覚麻痺、痛みの消失や触れると木片のように硬くなります。

応急手当
・締め付けているすべての衣類、アイゼンなどを緩め、指輪や時計類を外します。
・濡れた衣類、手袋などをすべて乾いたものに変えます。
・温かい飲み物を与えるなど、低体温症の応急手当を優先します。

解凍について
救助要請を行い、専門医のアドバイスを受けます。
海外登山など医療機関から離れている場所以外では解凍せずに、すみやかに医療機関で受診しましょう。
下山途中で再凍結すると細胞が破壊され、返って重症化するためです。
約40度のお湯に消毒薬をたらし、温度が下がらないように時々温度を確認し、熱湯によるやけどに気をつけながら、さし湯をします。
解凍時間の目安は1時間程度で患部に知覚が戻るので、ピンク色で柔らかくなったら乾いたタオルで十分に水分をふき取り保温します。
その後指の間に丸めた滅菌ガーゼをはさみ、さらに上から滅菌ガーゼで患部を覆います。
医療機関で受診するまで、絶対に再凍結させないよう乱暴に扱わず、保温と安静に努めましょう。

やってはいけないこと
・雪で患部を擦る、マッサージをする
・患部をストーブ、たき火、湯たんぽなどで温めない
・アルコール飲料、喫煙はしない
・水泡は無理に破らない







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